Suzuya-Group
Recruiting Website
Type : Design
Date : 2023.08
クライアント
株式会社 寿々屋(架空/旅館経営グループ)
担当範囲
企画 / ライティング / Webデザイン
制作期間
企画、ワイヤーフレーム : 1週間
デザイン : 1週間
使用ツール
Illustrator / Photoshop / Figma
概要
架空の旅館経営グループ「寿々屋(すずや)」の採用サイトを制作いたしました。新型コロナウイルスの世界的蔓延によって業界全体が大打撃を受けた後に需要回復。これから大きな変革期を迎えるであろう宿泊業界を新たに盛り上げてくれる熱意があり柔軟な対応ができる人材を獲得するべく、情報設計やデザインを行っています。
背景
ターゲット : 18歳〜30代前半で、旅館運営や接客業に興味がある求職者。
目的 :
寿々屋グループの経営理念や働く人、環境について知ってもらい、掲げるビジョンに共感してもらった上でエントリーしてもらう。ひいては、宿泊業界を新たに盛り上げてくれる熱意があり柔軟な対応ができる人材を獲得する。
現状課題
・慢性的に人手不足だったが、コロナ禍で人員が減った状態のまま全国旅行支援などで需要が高まり、人手不足に拍車がかかっている。
・現行の採用サイト/企業サイトはあるが、良くも悪くも「昔ながら」のデザイン。これから業界を牽引していく新しい人材に刺さりにくい。応募したいと感じさせるコンテンツが少ない。
※これらの課題については、今回デザインしたトップページだけではなく下層ページでのコンテンツや魅力作りも重要となる前提です。
-
志への共感を狙う採用メッセージ
採用活動において企業理念や志への共感は非常に重要なポイントのため、FVの直下では求職者に対してストレートにメッセージを伝えています。「新型コロナウイルスの世界的蔓延によって業界全体が受けた大打撃を共に取り返していこうという熱意」や「旅、接客が好きな気持ち」、「大きな変革期を迎えるであろう業界に飛び込み、恐れずに必要な変化を遂げることができる柔軟さ」などを持った人材へ情緒的な訴求を試みます。
-
関心度に合わせたサイト設計
採用サイトへは「寿々屋グループへの関心度がまだ低く企業調査を行っている段階の求職者」から、「関心度が高く実際のエントリーへ向けて準備を行っている求職者」まで様々なユーザーが訪れます。サイトの下部へ向かうにつれて関心度が高くなるセクションの構成にすることで、訪問当初は関心度が低かったユーザーも徐々に企業への理解が進むようにしている一方で、常にヘッダーのエントリーボタンとメニューを追従させることで初めから関心度が高いユーザーもサイト内の移動にストレスを感じず、応募に迷わないよう設計しています。
-
エントリー前の採用情報
企業を知り、働く人の思いや1日の流れなどを知った上で応募する意志が固まってきたユーザーに対しては、エントリーの前に「求める人物像」や「よくある質問」などの採用情報を提示して、適切に書類選考や面接の対策を行ってもらえるように誘導します。このセクションは求職者の不安を解消するとともに、企業が求める人物像とのミスマッチを防ぐのに有効であると考えます。
-
働いている様子が想像できるFV
FVでは採用者が働くことになる職場の風景と実際に働いている人々の様子を見せることで、「自身が寿々屋グループで働いている様子」をイメージさせます。働いている人々の写真については、PCでは上下に無限スクロール。SPでは1グループ(重なり合う2-3枚)ごとにフェードイン/アウトを繰り返して見せるような実装を想定しています。
-
和紙風のテクスチャを用いた背景
背景は単色べた塗りではなく、和紙風のテクスチャを重ねて寿々屋グループが元来持つ、歴史ある和の雰囲気を反映しています。配色としても重厚な茶、深い緑、アクセントにFVでも見せた紅葉のような緋色を用いて日本古来の様式美を意識しています。採用情報部分のデザインに和柄を使用していますが「七宝つなぎ(求める人物像下)」、「麻の葉(よくある質問下)」ともに繁栄や成長を願う意味があります。
-
伝統とトレンド感の調和
上記のように、背景テクスチャや配色、一筆書きの雰囲気が残るフォント選び(DNP 秀英明朝)などでサイト全体に伝統的な世界観を演出した一方で、挑戦的な要素としてトレンド感のあるデザインも織り交ぜています。例えば見出し部分に使用した絵文字、併記した英語表記、写真のやや角丸な切り抜き、スクロールを促すバー、Entryの文字が無限に横スクロールするアニメーション(想定)などがこれにあたりますが、これには「変化を嫌う柔軟さに欠けた人材」よりも、「これからの業界を牽引していってほしい比較的若くデジタル領域への理解もある人材」が視覚的に興味を惹かれ、応募に繋がりやすいようにする狙いがあります。
EN font
Adobe Caslon Pro
Unchanging thoughts are for the changing world.
JP font
DNP 秀英明朝
変わらない思いで、変わりゆく世界を。
カラー
よかった点
二度目の架空サイト制作でしたが、「MELT DOWN TOKYO」制作の際に時間がかかりがちなポイント(企業の設定作りやライティング、素材/参考探し)を把握することができたため、より効率的かつ時間配分に気を配って制作を進めることができました。制作期間としては同じ2週間ですが、1日あたりの作業時間は7割程度に抑えられたと思います。また、和風のサイトは初めて制作しましたが普段よく使用している素材サイト(O-DANやUnsplash)に和風の写真が少なく、素材集めに苦労するという学びを得ることもできました。
反省点 / 今後の課題
若干の効率化は図れたものの、やはり「限られた制作期間の中で更に多くデザインの作り込みに時間をかけたかった」という同じ感想を抱いてしまったのが反省点です。 特に、デザインポイント3「伝統とトレンド感の調和」にて言及したトレンドのデザインは更に色々な要素を取り入れたアプローチができそうなポイントですし、実案件では複数パターンのデザインを提案するケースも少なくないかと思います。 ポートフォリオの制作に取り掛かってからはアウトプットを多く行ってきましたが、今後インプットの時間や手法もより増やし、あしらいやモジュール、加工技術などの引き出しを増やし続けていきたいです。